物語の練習

よしおくんは僕のはす向かいの席の人でした。
「よしおくん」
「なんだいひろさき」
「よしおくんにこの前貸したゲーム、返してくれない?
彼女がやりたいって」
「いやだよ」
「なんで?」
「だって今セーヴデータとか消されると厄介だし。。」
そうだ。ひろさきはよしおにRPGの政権伝説2を貸していた
「いやでもさぁ。。困るんだよ」
「こっちも困るよ」
こんな追求をしているとよしおくんは機嫌を損ねてそっぽを向いたまま
黙ってしまった
「よしおくん氏ねよ」
「あぁ?」
「人にもの借りといて返したことあったのかよ」
「で?」
不快そうな顔をあらわにするよしお君。彼は人を挑発するあらゆる表現を身につけた達人と言っても過言ではない
「おまえが氏ねよ」
「いやおまえがしね」
こうして取っ組み合いが始まった
二人を注視するクラスメイトたち。野次馬も集まった
全員がざわついた。
ひろさきくんは学校に秘密に持ってきていたサバイバルナイフをかざした
よしおくんは一瞬ひるんだが
トランクスの中からカッターを出してきた

ーーー

入学式、二人は教室でちょうど隣の席になり、
とても仲睦まじく、まるで親友のようだった
ひろさきが上級生にかつあげされそうになったとき、
よしおは身を呈して
ひろさきを守った。

二人はとても良い関係であり、お互いの事を誰よりも理解しているはずだった。

懐かしい春の思いで。

利根川を二人で歩いて、木陰で菜の花を眺めながら将来を語り合った思い出。

ーーーー

よしおくんのカッターが
ひろさきくんの首をしっかりと裂いて
ひろさきくんの首から白い液体が大量に飛び散った。



ひろさきくん、僕は忘れない。

君は僕の親友だったんだ



ささいなプライドが、自分を守ろうとする強い感情が、
暴走して、

すると、

自分以外が見えなくなって、

それで、

二人はしてはいけないことをしてしまったんだ。


それだけなんだ。






(この話と登場人物はフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません)